<レイニーな心>
夜、目が覚めると雨が降っていた。
雨だけでなく雷もピカッとひかっていた。
昨日から雨が降りそうな雲行きだったのだが雷まで鳴るとは最低だ。
なんせ雷は僕、ダレン・シャンにとって敵だからだ。
ピカッと雷が鳴るたびに、そばにずっとついてくれているクレプスリーにぎゅっと
しがみついてしまうしまつである。
でも、赤いクレプスリーのマントをにぎっているとおちつく。
「ドンガラガラガラガラガラ・・」
「ひゃぁっ」
ひときわ大きな雷が鳴って思わず声が出でしまった。
それと同時にクレプスリーをベットへおしたおしてしまった。
「どうした、ダレン。そんなに雷が怖かったか?」
クレプスリーが意地悪げに聞いてきた。
「っ・・。」
くやしくて言い返せなかった。
「それとも・・・」
クレプスリーがにまっと笑ったかと思うと僕の体は180度回転させられて、クレプスリーに押し倒されるような格好になった。
「我輩いに慰めてもらいたかったのか?」
「そんなこと・・」
ないわけがなかった。
でも、そんなことが言えるわけがなく、ぎりっと唇をかんだ。
「別に慰めてやってもいいんだぞ?」
クレプスリーの捨て去ったような言い方にズキッと心が痛んだ。
こらえきれず、涙が零れ落ちてしまった。
「・・・・・・・・・・・・」
「すまぬ。ダレン。」
突然クレプスリーが僕の体をぎゅっと抱きしめながらあやまってくれた。
「泣かすつもりはなかったんだ・・」
「ただ・・・。」
「おまえの、困った顔がいとおしくてたまらなかったんだ・・・」
僕の困った顔がいとおしい?
困った顔って、そんなものなのか?
・・・・・・・・。
なんだか、違うような気がする。
「困った顔っていとおしいものなの?」
クレプスリーはちょっと照れたように
「愛する人の顔はすべていとおしいのだよ。」
と、耳元でささやいてくれた。
たしかに僕も、クレプスリーの顔はいとおしいと思う。
でも、顔というよりすべてがいとおしい。
もっといえば、僕はクレプスリー自身がほしくなってしまった。
「ねぇっ。」
「僕、クレプスリーが欲しい。」
続く
+あとがき+
ふぃー。
中途半端に終わらせてしまいました。
続きはいつ、かけるやら・・・。
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